2010年は7月20日から夏土用に突入。これから8月7日の立秋前日までの18日間が夏土用である。
春(73日)→春土用(18日)→夏(73日)→夏土用(18日)→秋(73日)→秋土用(18日)→冬(73日)→冬土用(18日)(※日数は「おおよそ」)。季節はこの順番に巡っていくと昔の中国の人は考えた。土用とは、季節と季節の変わり目の期間のことだ。
中国で生まれた陰陽五行説では、あらゆる事象を木・火・土・金・水の5種類の気に分類する。
季節もしかり。春は木の気、夏は火の気、秋は金の気、冬は水の気、土用は土の気が旺盛になる季節と考える。春は木の芽が吹き出す季節、夏は太陽が燃えさかる季節、秋は金が熟成される季節、冬は冷たい雨や雪が降って水気が多くなる季節、土用は土の中でさまざまな変化が生じる季節。
だから昔から土用に土いじりをしたり、土木工事をするのは大凶とされている。土の中で起こっている大自然の変化に、人間がちょっかいをかけることになるからだ。
地面の下の世界は目に見えないが、中で起こっている変化のパワーは人知を越えるほど大きいと考えられる。なにせ、18日間で季節を変えなければならないのだから。
そのため、土用期間中の天・人・地の間に流れる気のバランスはかなり乱れる。海に行く人は土用波、山に行く人は迷子や神隠し、あるいは酷暑による夏バテ、イライラから来るストレスやケンカ、デート前のカーラーの取り忘れなどにも要注意だ。
夏土用は火の気の影響を受けるため、突発的で派手な事故が起こりやすい。
火の気を鎮めるためには、次の方法が有効だ。
◆インテリアに清涼感を取り入れる(透明感のある素材や寒色系の家具を置く、涼しげな観葉植物を飾るなど)
◆トマトやなす、キュウリなど夏の食材をたっぷり食べる(夏に出回る食材は体を冷やす作用がある)
◆波の音を聞く(CDなどでOK)
◆浴そうにハッカ油を垂らして入浴する(ほんの数滴でクールスパに変身)
◆涼しいところで眠る(昼寝も推奨)
「それっ、旅行!」もいいが、夏土用期間中はあまりあくせく動き回らず、スイカでも食べて稲川淳二の話でも聞きながらのんびり過ごすのが一番。
猛暑のなかで働かねばならない方は、ふだんの7割程度で余力を残しながらほどほどにがんばればいいと思う。
2010.07.20