バレンタインデーを間近に控え、デパートの特設会場はどこも百花繚乱のチョコ祭り。一粒600円以上もする超高級トリュフ(一粒ですよ一粒)や色とりどりの美しい宝石のようなチョコ、フルーツのチョコがけ、ビーンズチョコ、動物モチーフのチョコ、和チョコなどが所狭しと並べられている様子は、まさに「チョコ万博」と言っても過言ではありません。
チョコ好きの自分はすでに3カ所ほど回りましたが、どこへ行っても会場を訪れる客の99%が女子、1%が男子で、チョコレートとは女子の嗜好品であることがよくわかりました。たぶん購入されたチョコレートの約8割は、最終的に女子の胃袋に収まるのではないでしょうか。
ということでバレンタインデーを狙って恋活をもくろむ人のためのゴールデンルール5つ。よろしければご参考に。
1 高すぎるチョコを渡さない
ほとんど接点のない相手にいきなり1万円クラスのチョコを渡すとどうなるか。はい、気味悪がられます。「どんな野望や魂胆があるのか」と恐れられ、手編みのセーターを渡されたときのような顔でドン引きされるでしょう。相手に対する期待値を価格に置き換えてはいけないのですね。
「ああ高そうなチョコをありがとう、妻が好きなんだよね」と言われたとき殺意を覚えないためにも、2000円、せいぜい3000円クラスにとどめておくほうが無難です。そもそも1000円のチョコと3000円のチョコの味の違いがわかる男なんてほとんどいませんから、「そこそこの価格で見栄えのするもの」を選ぶのが得策です。余ったお金は将来のために貯金しておく、もしくは自分のために好きなチョコを買いましょう。
2 かといってカジュアルすぎるチョコでもダメ
いくらおいしくても、本命の相手にキオスクやドラッグストアに並んでいるようなカジュアルなチョコを渡すのは避けたほうがいいでしょう。お徳用の袋入りもNGです。ひと目見た瞬間に「義理だな」「特売だな」「ついでに買ったな」とガッカリされます。
3 あっためない
買ったチョコを暖房の当たる場所にずっと置いといたり、熱く高鳴る胸に抱きしめて寝たりすると溶けてしまいます。高級なチョコほど溶け率が高いです。開封したときに「なんじゃこりゃ」「いやがらせでは?」などとこちらの人格を疑われないためにも、ひんやりしたところに保管しておきましょう。
4 メッセージを添える
バレンタインデーの本当の主役はチョコレートではなく、メッセージを書いたミニカードです。
しかしこのカードにいきなり「すっごく好きです!」とか「去年の夏、社内運動会の障害物競争で網くぐりの網にからまってドン臭くもがいていたあなたをお見かけして以来、心の底から愛してしまいました」とか「ふふふ・・・・・・私は誰でしょう。ヒント:資材部の部屋の中心から見て東北方位の窓ぎわ、ちょうど鬼門ライン上のデスクに座ってまーす (^^)」などと書かれていたら、気の弱い男はそれを読んだとたん一目散に逃げ出すでしょう。
メッセージカードには「好き」とか「愛してます」とか「つきあってください」とか力強く毛筆で書くんじゃなくて、「チョコレートの味はいかがですか? 感想はこちらまで→○○○○@○○○○.ne.jp」とボールペンで軽くメモするくらいがちょうどいいと思います。ただし相手の人となりがまだよくわからない場合は、いつでも捨てられる無料のフリーメールアドレスにしておきましょう。
5 見返りをすぐに期待しない
人には人それぞれ抱えている事情があります。あなたがどんなに恋しくても、相手がすぐに返事を返してくれるとは限りません。
その理由として「そもそもあなたのことが眼中にない」「女に興味がない」「すでに恋人もしくは妻子がいる」「体調が悪い」「仕事とかプライベートでトラブルを抱えていて今それどころじゃない」「チョコレートアレルギー」「根性がねじ曲がっている」などが考えられます。
「うまく運ばないことをゴリ押しすると、見舞われなくていい災厄に見舞われる」「最初からタイミングの合わない相手は、最後までタイミングが合わない」と運命学では申します。「チョコどうだった?」「メッセージの返事は?」などとこちらからカマをかけるのは控え、しばらく静観してみましょう。ホワイトデーを過ぎても無反応だった場合は「脈がない」「縁がない」「誠意がない」のどれかですから、すみやかに気持ちをリセットしましょう。
どうしてもあきらめきれない場合は、ネクストプランとして相手の誕生日を狙います。この場合も、主役はプレゼントではなくメッセージカードです。「いつもありがとうございます、感謝の気持ちを込めて」とか「お誕生日おめでとう! 今度よろしければランチでもいかがですか?」あたりがいいでしょう。
それでも無反応だった場合は、残念ですがその個体はあきらめて別の個体を探すほうがいいと思います。
・・・・・・はい、こんな感じです。あなたの恋がすんなり成就しますように。
2013.02.12