死んだ猫が2匹、家に帰ってきた。
まずい、猫用の食器がほこりかぶってるじゃんと私はあせって食器を洗い、猫缶のストックがないことを思い出す。
仕方ないコンビニで買ってくるか、しかしグルメな奴らの舌に合う缶詰が果たしてあるのか。
ぼんやり考えながらとりあえず水をボウルに注ぎ入れていると、猫は高いところで毛づくろいをしている。・・・・・・お盆。そうか、今日はお盆の初日だったなと気づいた。
いけね、トイレ! トイレを取り替えなくては!
行って見ると、猫のトイレは2つとも使用済みで汚れている。
あーあもう自分は猫のために何もしてないじゃん、ダメな飼い主だなあとあわててシートを取り替えようとする。
そこで目が覚めた。
そう今日は8月13日、お盆の初日である。自分はすっかり忘れていたが猫たちは毎年きちんと覚えていてきっちりやってきてくれる。意外に几帳面なのだ。
夕方、スーパーで猫缶を2つ使ってきて西の窓辺に備えた。たっぷり水を張った丼も置く。花も飾る。暑さにぐったりしながら般若心経を唱える。首筋から背中にかけてあせもができていて痛痒い。
夏もあと3週間か、高速回転で過ぎていくのだなあと思いながらふと見ると、猫は2匹そろっておとなしく自分の目の前に座り、お経をじっと聞いている。
2012.08.13