買った当初はどんなに美しい観用植物も、1年もたてば背が伸びて葉がぼさぼさになる。余分な枝をカットしても、美しい鉢に入れ替えても、悲しいかな容姿が衰えてくるのである。観用植物がお金を払ってでも手に入れたいほど美しいのは、店頭に飾られているときだけだ。
ちょうど去年の今ごろ、私は枝ぶりのいいエバーフレッシュやコンシンネを購入した。どれもひとめぼれである。みずみずしいグリーンが白い壁に美しく映え、室内にフレッシュな気が放たれた。やはり緑があると落ち着くと思った。
だが、至福はそう長く続かない。時間がたつにつれ輝くようなグリーンは光を失い、葉は不揃いに伸び始め、それを置いている周辺の空気がずしりと重くなった。そばを通るたびにゆううつになった。植物の幽霊がたたずんでいるように見えたのである。
ある日、水やりのためすべての鉢をベランダに出した。部屋の中がすっきりして、すがすがしい印象になった。そのまま1週間ほど放置。
そして今日、見てみたら。力を失った手のように葉が垂れ下がり、葉は茶色に変色して、枯れていた。室外の環境が合わなかったのかもしれないが、実は、飼い主の思いを感じ取って自分から枯れたのではないかとも思う。
2009.05.03