カメ

img_1332
 葛西臨海公園へドライブ。
 日当たりのいいオープンカフェでのんびりコーヒーを飲んでから、東京湾に浮かぶガラスドームの水族館へ向かう。
 エスカレーターを深く下ると、薄暗い空間が広がっていた。通路のところどころに水槽が設けられ、天井にはライトが吊され、その下でさまざまな魚が泳いでいる。サメ、ウツボ、マグロ、キンメダイ・・・・・・。ここは海の中につくられた水族園なのだ。
 不思議な空間だなあと思いつつ、ぶらぶら見物。

 銀色のマグロの群れが泳ぐ大水槽の前で、しばし足を止める。
 マグロの体の向きはみな一緒、同じようなスピードで同じようにぐるぐる円を描いて泳いでいる。
 みるで人間みたいである。
 泳いでいる最中、強そうな魚が弱そうな魚をどついたり、たまにどつかれ返されたりしている。まんま、人間社会である。

 別の大水槽には、ブルーの体に黄色の背びれと尾びれが美しいウメイロモドキ(スズキ目タカサゴ科)の群れ。この中に、ぽつんとカメがいた。
 カメは、ウメイロモドキの描く軌道とはまったく無関係に泳ぐ。カメが行くところ、ブルーの魚の隊列がちりぢりに乱れる。カメはそんなのにかまわずいきなり急降下したかと思うと、今度は水面近くでふわあんと浮いている。

 好きだなあ、カメ。
 どの世界にも「群れ」と「流れ」はあるが、そんなもんに関係なく「個」として好き勝手に動き回るやつは見ていておもしろいし、かっこいい。
 がんばれカメ! 群れを蹴散らせ! 好きなように生きろ!
 ぶ厚いアクリルガラスに手を当て、私は夢中でエールを送る。もちろんカメはそんなの知ったこっちゃない、ただ自分の好きなように進んでいる。

2010.02.24

 

マンション選びの極意

「ここも手狭になってきたし、そろそろ買おうか、家」
 春先にそう考えて、「今年こそは」と物件探しを始める人も少なくないのではなかろうか。新聞やテレビで「不況」「不景気」と騒がれようと、人は買うときは買うのである。で、マンションの物件探しのコツをいくつか。 

◆中古か新築か
 そりゃもう、古いより新しいほうがいいに決まっている。家は消耗品だからだ。住めば住むほどあちこち傷んでくる。
 また中古は前の住人の痕跡があちこちに残っているが、新築はすべてが無垢の状態なので、よけいな思念やストレスを感じることなくイチからスタートできる。
「でも、中古のほうが安いじゃん」
 そのとおり。住みたいエリアに住みたい建物がすでにあって、築年数もまあ許せる範囲で、管理状態がいいなら、もちろん中古もありだ。しかし仲介手数料やリフォーム代などを加算すると、「結局あんまり差がないじゃん」ということもあるので注意されたい。

◆1階か最上階か
「小さな子どもがいる」「地に足をつけて生活したい」「庭でガーデニングを楽しみたい」「エレベーターがきらい」という人は1階、それ以外の人は最上階がおすすめだ。周囲を高い建物に囲われていなければ最上階はその建物内で最も見晴らしがいいうえ、日当たり、風通しも期待できる。また上階に人が住んでいないため、物音や足音などにわずらわされる恐れもない。絶対ではないが防犯面でも下の階よりは安心できる。
 だからこそ、最上階の物件はなかなか手に入らない。新築なら「もう売れちゃいました」、中古なら「めったに出ません」「お値段お高めですけどいいですか」と言われるのが普通である。
 もし最上階が無理なら、上階に住戸のない部屋を選ぶといいと思う。 

◆角部屋か中住戸か
 電車の座席で最初に埋まるのは端の席。両端があいてない場合、乗客は仕方なく中間に座る。つまり、人は人と距離を置きたい動物なのである。
 家も同じ。両隣を他人にはさまれた中住戸より、角部屋のほうが開放感があって住みやすい。窓が多い分、風通しがよくなって邪気を祓いやすいというメリットもある。 

◆東南向きか南西向きか
「東南向きの部屋がいい」とよく言われるが、日照時間は南西向きの部屋のほうが長い。つまり東南向きの家は冬寒く、洗濯物も乾きにくいということ。南西向きなら冬温かいうえ、上層階なら夕方になっても家の中が明るい。つまり1日が長くなる。
 朝早く出て夜遅く返ってくる人なら東南向きでいいと思うが、家にいる時間が長い人は南西向きのほうが楽しい。  

◆奇抜なデザインかオーソドックスな外観か
「いまふうで格好いい!」と派手な色づかいや形状のデザイナーズマンションにあこがれる人もいるが、買う前に20年後、30年後を想定してみたほうがいい。そのマンションはもしかすると色が褪せ、デザインが風化し、時代遅れになってしまうかもしれない。
 私は昔、「何年か前に○○デザイン賞を取った」という家を訪問したことがある。コンクリート打ちっ放しの無機質なつくりで、部屋の中央に螺旋階段があった。実際に室内を歩いてみて「寒々しいし、掃除しにくそうだし、住みにくいだろうなあ」と感じた記憶がある。
 流行とは「流れて行く」と書く。つまり、はかないのだ。
 ならば、シンプルでベーシックなマンションのほうがいい。変なひねりがないぶん、飽きが来ないからだ。特に将来、売る可能性があるなら、万人受けするオーソドックスなマンションがいい。
 また「類は友を呼ぶ」の法則通り、奇抜な外観のマンションには変わった人、オーソドックスなマンションには普通の人が住む傾向がある。「変わった人たちに囲まれて暮らしたい」という人以外は、普通のマンションに暮らすほうが無難と思う。 

◆四角形の間取りか変形の間取りか
 家相の本には「張りや欠けのない四角い間取りが吉」とよく書いてあるが、あながちそうとも言い切れない。
 私は以前、四角い間取りの家に住んでいたことがある。きれいな長方形で、張りも欠けもなかった。家相は悪くなかったが、実際に住んでみて「味も素っ気もない、つまらない家だなあ」と思った。空間が四角四面にきちんと収まりすぎて、逆に居心地が悪かったのである。
 私はそのとき、世間一般で言われる「大吉の家相」が万人に当てはまるわけではないことを知った。人の個性は十人十色だから、たとえ吉相でも合う・合わないがあるのである。
 現在は変形の間取りの家に住んでいるが、前よりずっと住み心地がいい。つまり家相の教科書では満点が取れなくても、自分が「別にいいじゃん」と思えばそれでOKなのだ。
 ただし「ゆがんだ部屋」「三角形の部屋」だけはすすめない。家具がしっくり収まらないし、デッドスペースができるから掃除が大変だし、何より圧迫感があって精神的にストレスがたまるからだ。 

 いろいろポイントをあげてみたが、「100%理想にかなう家」というのは存在しない。「ステキ!」と思う家はたいてい予算を大幅に超えているし、「相場より安いじゃん」と値段に釣られて見に行くと、「こんなとこに住んだら気が滅入るだろうなあ」とがっかりするものだ。がっかりが続くと「結局、買えませんでした」になるか、妥協してつまらない物件をつかむことになる。
 だから、「これだけは譲れない!」という最低条件を最初にしぼっておくといいと思う。
「女1人で住むから10階以上!」「料理が好きだからキッチンの広いとこ!」「愛犬と楽しく暮らせるとこ!」「子どもがいるから公園のそば!」「残業が多いから駅から徒歩10分以内!」などなど、自分なりのキャッチフレーズをつくっておけばたぶんブレない。 
 で、やっと決断して買ったマンションがもし「ダメだ、こりゃ」とか「住んでてちっともおもしろくない」などという場合、どうするか。
「大金払ったから」とガマンして住み続ける必要なんかない。話は簡単、売って別の家に住めばいいのである。
 ただし売るためには、「売れる部屋」であることが必要だ。今まで述べてきたポイントにかなっている家なら、売れる確率は高いと思う。

2010.02.17

ラッキーナンバー

DSC00431
「ツキのある数字」というのがある。これは人によって異なるが、以下に当てはまるなら、それはあなたにとって「運のいい数字」だ。

◆好きな数字
「理由はわからないけど、なんか5と8って好き」なら5と8。

◆自分の誕生日の数字
 たとえば1月28日生まれなら、1、2、8。もしくは12、18、81、812など、それらを組み合わせた数字。

◆昔から自分に縁のある数字
「受験番号24で難関を突破した」というなら24、42、「引っ越しても引っ越しても902号室」というなら902、209、90、20、92、9、0、2など。

「これだけは負けられない!」という勝負の際に使う番号が偶然にも自分のラッキーナンバーなら、天が味方についたと考えていい。リラックスして臨めば、勝率は高い。
 何気なくつくったカード(スーパーやドラッグストアのポイントカードなど)の番号や買った商品の製造番号が自分のラッキーナンバーだった場合、それらはあなたのラッキーアイテムとなる。銀行でさり気なくつくった口座の番号が「いい数字」なら、あなたの金運はその銀行とつき合うことでどんどん上がるだろう。 
 車に乗っていて、パッと眼にした他車のナンバーがいい数字だったときも、ツイている証拠だ。走行中、続けざまにラッキーナンバーの車がわきを通り過ぎたり、四方をラッキーナンバーの車に囲まれたら、「あんた、だいじょうぶ。みんなで見守ってるから安心して」という天の啓示と思っていい。実際、そういう日は何かしらラッキーなことがあり、気分よく過ごせるものだ。

 たかが数字、されど数字。縁のある数字を大切にしていると、チャンスをうまくつかめるようになる。ラッキーナンバーとはいわば天のGOサインのようなものだ。

2010.02.10

引っ越しの極意

 春と言えば引っ越しである。
「ああ面倒くさい、お金はかかるしいろいろな手続きも必要だしイヤになっちゃう」と深くため息をつく人も多いと思うが、実は引っ越しというのは運気を変えるイベントであり、負け続けている人にとっては起死回生のチャンスともなるので、前向きに対処されたい。
 で、新しい家を見つけるときのポイントをいくつか。 

★明るくて風通しがよく、日当たりのいい家を選ぶ
 風は邪気を追い払い、日光は邪気を蒸発させる。家の中にきれいな気が満ちれば、住人が前向きな気持ちになる。
 日当たりの悪い暗い家に住むと、身体の弱い人は身体に、心の弱い人は心にダメージが出やすいので注意。 

★前の住人の状態をチェック
「前の方? そりゃもう悲惨な生活をしてらっしゃいましたよ」とか「お気の毒な事件に巻き込まれましてねえ」とかいう家は避けたほうがいい。家には前の住人の気がしみ込むので、自分もその影響を受けてしまう恐れがある。
 どうせ住むなら、「前の女性、みごとに玉の輿に乗ったんですよ」とか「あの方、ボーッとしてたのにいきなり大出世されましてねえ」とか「ご主人も奥さんもお子さんもいつもニコニコして楽しそうでしたよ」とかいう家がいい。 

★なるべく凶方位は避ける
 ものすごく運のいい人は何も考えなくても勝手に吉方位へ動くが、ほとんどの人は放っておくと自分から凶方位へ行く。
 つまり凡人が行き当たりばったりに行動して幸せになれるほど、世の中は甘くないということである。「苦労、ウェルカム!」という人ならいいが、「なるべくなら苦労知らずで幸せに生きたい」という人は、凶方位を避けることをおすすめする。
 ちなみに2010年は、すべての人にとって東北と南西が凶方位。今の自宅から見て東北方位や南西方位に引っ越すと、「不動産でもめる」「家族間の信頼関係がこわれる」「突発事故が起こる」「精神的なストレスがじわじわたまる」など、うれしくない凶作用が起こるおそれがある。 
「転勤や入学でやむを得ず凶方位に移転しなければならない」という場合は、あまり深刻にならず、神社で方位除けをしてもらうとか、家をせっせときれいに保つとか、陰徳を積む(他人にやさしくする)と、凶作用をはずせる。
 方位にこだわりすぎると人生の自由度が低くなるが、まったく無知でいるのも損をする。昔から伝わる「迷信」や「縁起」は、あながち「デタラメ」ではないのだ。 

★自分の直感を信じる
 玄関に足を乗せた瞬間「ここ、気持ちいい!」「空気が軽い!」と感じる家はおすすめだ。その家とあなたは相性がいい。たぶんそこに住めば、あなたは順調に運をつかむだろう。
 逆に「何となく気が滅入る」「その家での楽しい生活を想像できない」「イヤなにおいがする」、あるいは「その家の下見に行く途中、イヤな出来事に遭遇した」などというなら、その家に住まないほうがベターである。そこに住んでも、幸せになれる確率は低いからだ。
 直感は正直。だから家を探すときは、直感が冴えているとき(体調がいいとき、鼻歌が出るようなとき、ツイているとき)がいい。
 間取り(家相)とか九星別の吉凶方位とか他にも細かいポイントはいろいろあるが、以上のことさえ心得ていれば、それほど大きな失敗はないと思う。

 家は住人の心と魂と身体を守りはぐくむ大切な空間だ。幸せに向かってあなたをそっと後押ししてくれる、やさしくて安らかで力強い家が見つかりますように。

2010.02.04