寅卯天中殺のみなさんへ その2

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 全国の寅卯天中殺のみなさんこんにちは。
 太陽が真っ赤に燃えさかる夏、いかがお過ごしか。ただでさえ天中殺なのに余震や原発事故までも加わって、「さすがのオレもそろそろきついぜ」とか「だいじょうぶなように見せてるけど、あたし正直疲れた」などとぐったりしておられる方も少なくないのではないか。
 天中殺の過ごし方はそれぞれの天中殺によって異なる。子丑天中殺なら1人で巣にこもってそれなりに静かにやりすごし、辰巳天中殺なら何もかも捨てて海外とか宇宙へ旅立って現実逃避し、午未天中殺なら「まあなるようになるでしょう」といつも通り淡々と過ごし、申酉天中殺なら「もうダメだよ! 誰か何とかしろよ!」と大騒ぎしてストレスを発散し、戌亥天中殺なら「この試練をありがとう」と1人で座禅に集中するけれど、寅卯天中殺は「天中殺なんかぶっ飛ばせ!」とパワフルにがんばっちゃうんですね。
 2010年、2011年くらいは天中殺なんだからおとなしくしとれちゅうとるのに自ら嵐に立ち向かっちゃう。で、人に弱みを見せたくないポーカーフェイスなもんだから、どんだけストレス抱えてても顔に出さず、まわりにも気づかれず、孤軍奮闘して疲れて寝込んじゃうわけですね。(パニック障害って実はこのグループに多いのではないか。)
 天中殺時にがんばるのは田んぼの中を全力疾走するようなもの。あまり無理せず、2012年2月3日の天中殺明けまで「アンニュイ上等」を合い言葉にしのがれたい。
 あ、ちなみに2012年2月4日からは辰巳天中殺のみなさんに順番が回ってきます。「荒野のサボテン」とも称されるアウトサイダーなみなさんにとって、とびきりスリリングな2年間になるはずですから乞うご期待。

 閑話休題。今回は天中殺真っ最中の寅卯天中殺のみなさんがこの時期に陥りやすい落とし穴について述べましょう。どなたさまも次のことに気をつけてください。

1 過去をほじくり返す
 今、妙に人恋しいでしょう。だって、誰も相手にしてくれないんだもん。「暗黒の宇宙空間に飛んでしばらく1人で修行してこいや」が天からの至上命令なのでそうならなければおかしいしもちろんそれでいいのだが、いかにタフな寅卯天中殺とて人の子、ずっとひとりぼっちじゃ寂しくもなれば心細くもなる。しかし職場や家庭や友達からは冷たくスルーされている。
 結果、過去に目が行ってしまうんですね。で、昔つきあっていたAさんだとか同じグループだったBさんだとかに連絡しちゃう。
「久しぶり!」
「変わってないね」
 最初のうちは盛り上がる。こんなに気の合う人とどうして疎遠になったのかと思う。焼けぼっくいに火がついてしまう男女もいよう。
 しかし長くは続かない。つきあっているうちに相手のアラが見えてきて、あーあな思いをする可能性が高い。なぜならその人間関係はとっくに終了しているからである。終わっているものを強引に再開させると、時間と金と労力の無駄づかいに終わる。
 特売品の残りものと過去の人間関係に福はない。あとでがっかりするだけだ。
 それと、寅卯天中殺の恋人や伴侶を持つ人は相手の浮気に要注意。適度にかまってあげないと、寂しさから浮気する恐れがある。天中殺時の浮気はこじれやすいから、芽を見つけたら早めに摘んでおく。自分の顔写真をパートナーの携帯の待ち受け画面に強制的にセットしておくとか、手作り弁当を持たせるなどの「マーキング」が有効だ。

2 努力で現状を打開しようとする
 無重力の宇宙空間に放り出されたとき、子丑天中殺や午未天中殺や戌亥天中殺はじたばたせずにふわふわと流れに身を任せ、落ち着いて2年間を過ごすことができる。だからそれほど体力を消耗しない。
 むだに大暴れするのは寅卯天中殺と辰巳天中殺と申酉天中殺だ。「輪っかの中で走り回るハツカネズミのようじゃのう」と神さまに苦笑されてもなお、「汗をかけば何とかなる!」と手足をバタバタさせるのがこの人たちの性(さが)。
 結果、体がくるくる回転して目が回る。で、船酔いする。

3 貯め込むばかりで使わない
「何かあったときのために」とお金を貯めるのはいいが、冠婚葬祭費や交際費をケチってまでがつがつ貯め込んではいけない。「儲かればいいのさ」としゃにむに荒稼ぎしたり、金目当てで人に近づいたり、そろばんずくで行動するのもダメ。
 天中殺の2年間は今まで溜めた厄を吐き出す毒出し期間だから、「かき込む」「貯め込む」などルールに反することをすると体内にどんどん厄がたまりまくって自家中毒を起こす。
 お金はうまく使えば福を買えるが、我欲に目がくらんで貯め込むと一転して厄になる。天中殺期間は「吸い込むより吐き出す」が基本。
 金融商品の預け替えを考えている人は、ハイリスクハイリターンより安全路線でいく。欲得から投機的なことに手を出すと後で泣きを見やすい。
 家や車のローンがある人は、貯金する余裕があるなら先に返済に充てる。今の金利じゃ貯めてもほとんど利息なんかつかないし、借金が減れば肩の荷が軽くなって心に余裕が生まれるからだ。
 安易に人から金を借りるのもやめたほうがいい。信頼を失う原因になる。
「貸して」と頼まれた場合は、「この金はもう返ってこない」と覚悟して貸す。それが無理なら貸してはいけない。

4 やけくそで転職する
「こんなクソ会社、やめてやる!」
 天中殺時は判断が狂って自暴自棄になりやすいから、即断即決は禁物。やめるのはいつでもできるが再就職は難しい。下手するとずっと就職できない、あるいはもしまぐれで就職できたとしても収入が現在の6〜7割に減る公算が大きい。人間関係もたぶん今より悪化する。どうしても転職したいというなら、せめて2012年2月3日まであせらずに待つ。

5 むやみに大勝負に出る
 寅卯天中殺はダイナミックで大胆な行動力の持ち主だが、裏を返せば「無謀」になりやすい。そのクセは特に人生に行き詰まったときに出る。
「ああ私ってどうしてこんなに不運続きなのかしら・・・・・・、そうだ、結婚よ! 結婚しちゃえば未来がバラ色に染まるかもしれないわ!」
「ここらで人生巻き返したいなあ・・・・・・、そろそろ出すかあ、店ッ!」
「ああ、このおんぼろアパートにいると気が滅入る。思い切って貯金はたいてあこがれの白いタイル貼りのマンション買ってこの生活から脱出しようかしら」
 あのう、何も今でなくても。天中殺時に下手にがんばると不運のスパイラルに巻き込まれやすいんですよね。
 あれこれ計画を立てるのはいいけれど、大きなイベントを実行に移すのは天中殺明けと心得たい。たぶんその時になればまた別のこと考えてるだろうし。

 どうですか、そんな感じですか。あまりがんばらんと、今できる範囲でそれなりに楽しくおもしろく暮らすのが賢者の道ということになりましょうか。
 それでは、引き続き快適な宇宙の旅をお楽しみください。

 2011.06.21

危険なサイト

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 質問。あなたが携帯やパソコンにブックマークしているのはどんなサイトだろうか? そのサイトに入ると、どんな気分になるだろう?
「楽しくておもしろい」「ワクワクする」「役に立つ」なら何の問題もないが、「読んでいる最中にちょっとひっかかる」「読後になんとなくもやもやする」「違和感を感じることがある」「中毒性があり、読まないと不安になる」などというなら、読むのをやめたほうがいい。そのまま読み続けても、何ひとついいことはないからだ。 

 私は以前、とある精神世界系のブログサイトにはまったことがある。
「うわあ、この人の知識量はすごいなあ」と感心して記事を読みまくっていたのだが、実は心のどこかで違和感を覚えていた。しかしあまりにも内容がおもしろいうえに納得できることも少なくなかったため、そのまま毎日のように読み続けていた。
 1カ月後。夢の中に小さな黒蛇の群れが出てきた。そいつらはぴょんぴょんはねながらこちらに近づいてきた。私はただそれをながめている。
 妙にイメージの鮮烈な夢だったなあとそのときは気に留めなかったが、しばらくしてからまた同じような蛇の夢を見た。蛇の夢を見るのは決まってそのサイトをチェックした後だった。 
「あのブログの書き手は、もしかするとヤバいのではないか」
 そう気づいてからしばらく近づかないようにしていたのだが、好奇心に勝てず、再びそのブログを読むようになってしまった。(我ながら懲りないやつ。)

 相変わらずすごいことを書いているな、この人いったい何者だろう? と思う反面、あれ? 言っていることがどこかおかしい、この人の本当の目的は・・・・・・とうすうす感じてもいた。
 また夢を見た。
 ものすごく大きな蛇の頭が真正面にある。それは感情のない目でじっと私を見ている。頭の赤いウロコがぎらりといやらしく光る。「この蛇、私を見に来たのだな」と私にはわかっている。
 ただそれだけの夢だったが、目が覚めてからゾッとした。「とうとう本体がやって来た」と直感したからである。
 今まで見ていた小さな黒蛇集団は取り巻き、もしくは監視用のアンテナであり、今回見た大きな蛇は御大(おんたい)だ。
 それ以来、そのブログサイトはブックマークからはずして永久封印とした。ふしぎなことに、そのころ悩まされていた原因不明の頭痛と肩こりと吐き気は、それ以後徐々に薄れた。 

 そのような経験をしたのはそれだけではない。それ以前にもとある別の精神世界ブログに夢中になり、どこかで「変だな」と思いながらも集中的に読んでいたとき、暗闇で舞い踊る白拍子(しらびょうし)の夢を見た。無心に踊るその人は、私を見るなり「何しに来た」と不快そうな顔をした。
 後にブログのプロフィール写真を見てみると、夢で見たのと同じ顔だった。
 その人のサイトにも、今は行っていない。一度配線がつながると、たやすく交流できる気がしたからだ。

 電気は気を媒介する。これはあくまで推測だが、ウェブサイト上で読み手が書き手と対峙するとき、画面から発生する磁気によって両者の霊的な距離が縮まり、目に見えないどこかで気が交流し合うのではないだろうか。
 それが起こる確率の高さは「読み手もしくは書き手の熱意」×「訪問頻度もしくは更新頻度」×「持っている気力の強さ」に比例するように思う。
 もし相手がネットを利用して何かよくないことをたくらんでいる強者(つわもの)なら、それに気づかず文面の心地よさに惹かれてひんぱんにそのサイトを訪れる者はスケープゴートになる可能性がある。
「何だかヤバそう、でもおもしろくてやめられない」と感じるサイトは危険なのである。

 ネットは基本的に相手の本性が見えない百鬼夜行の世界だ。違和感を感じるサイトに近づくとひどい目に遭う。

2011.06.04